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むかーしむかし、あるところに。
よさ毛のおじーさんが住んでおりました。
おじーさんは、料理屋を営んでおりましたので、
川へ魚を釣りにやってきました。

すると、
どんぶらこっこ〜どんぶらこっこ〜と、おおきな桃が流れてきたのです。

おお、こいつぁデザートに出すのにちょうどいいじゃねぇか、と大きな桃を家に持ち帰り、
包丁を入れようとしたその瞬間。
ぱかんと、桃が開いて、
なんと金髪に蒼い目をした可愛い男の子が出てきたのです。

肝の座ったおじいさんは、まぁそう言うこともあるだろう、と
その男の子にサンジと名づけて、そこそこ手荒に育てたのでした。


















ももじりたろう
桃からうまれたサンジ君は、やがてすくすくと成長し、
おじいさんの料理屋「ばらてぃえ」の副料理長を任せられるようになった頃。

里のほうでよからぬ噂が流れていることを聞きつけました。
なんでも、鬼が悪さをして、金銀財宝や食料を奪い、しかも女性を攫って酷いことをしているそうです。

サンジ的には、食料を奪うことも、女性に酷いことをするなども言語道断です。
「いっぺんぶちのめして厳重注意だこの野郎!!!!」
と、鼻息荒く鬼退治をしようと心に決めました。

鬼退治にいくとなれば、お供に犬猿雉を連れて行くのが作法ですが。
さすがにペットを連れて行くのもどうかと思ったので、
よく店に入り浸っている、ルフィー・ウソップ・チョッパーに目をつけました。

ルフィは、名前がそのままモンキーですし。
ウソップは、鼻がくちばしっぽいので雉と言うことにしました。
チョッパーはトナカイですが、犬も鼻がいいし、鼻つながりって事でOK!
美味い黍団子を作ってやる代わりに、強引に連れて行くことにしました。









サンジの、初めての旅と言うものは、
それはもう大変で、とても楽しいものになりました。
ルフィがいきなり食い逃げをしはじめたり、
ウソップが、鬼が島には行ってはいけない病にかかったり、
チョッパーがさらわれて、危うくトナカイ鍋にされかかったり・・・

泣いたり笑ったりビビったり。
サンジは、鬼退治はともかく、何時までもこんな風に旅が続けば良い、
などとちょっと思ってしまいました。

しかし・・・
どんな旅にも、必ず終わりと言うものは訪れるもの。

今、サンジ達一行の前に、禍々しい鬼ヶ島がどんとそびえていたのです。


「とうとう着いたな・・・」

「すっげーなー!!なんか、鬼っぽい島だ!!」

「とりあえずボートを調達してきたぜ。」

「お、ビビってたわりには気が聞くじゃねぇかウソップ。
よし、ルフィとチョッパーは特に落ちねぇように気をつけろよ。」

「う、うん。わかった!」

鬼ヶ島に住まう鬼どもに気づかれないよう、
慎重に場所を選んで船を出しました。
そろりそろりと近づいて、死角と言えるような場所に上陸します。
そして、そぉ〜っと岩陰から顔を出して、
鬼ヶ島の全域を見ようとしました・・・が、その瞬間。

『・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・』

ルフィ以外の全員が言葉を失いました。
がぼーんと、顎を落として固まってしまいました。

鬼は、ゾロでした。
そう、緑の髪をして、刀を3本腰に差して。

まぁ、ここまでならば誰もが想像していたことでした。
この面子が桃太郎側なら、鬼側にはゾロが行くだろうなーと言うくらいは。

しかしまぁ・・・なんといいますか・・・

「おおっすげぇ!!ゾロがいっぱいだ!!!」

ルフィが言いました。
他3人の肩がビクーンと震えます。

そう、眼下に広がる景色には、そうとしか言えないものがたくさんいました。
ルフィの言っている事は正しい。しかし、どうしても認めたくなかったのです。
出来ることならば、このまま夢だと言い切ってしまいたい。

でも・・・どんなに頬をつねってみても結果は一緒でした。


ゾロが・・・・・・ゾロリと・・・・・・ゾロゾロゾロっと・・・・・・

つまり。

いっぱい 居る。

緑頭で
凶悪な面して
ムキムキマッチョマンで
胸から腰あたりまでにざっくりと入った傷も全員一緒で
そんなやつらが
虎の腰布巻いた格好で


いっぱい ゾロゾロと 居る。


『わ・・・笑らえねぇ・・・』

そう呟いたのは誰だったか・・・
ひょっとしたら、ルフィ以外の全員が言ったのかもしれません。


ザァーっと サンジは血の気が引いていきました。

助けを求めるかのように隣を見ると、
涙目でガクガク震えているウソップと目が合っいました。
その向こうには、直視するのも怖いのか、尻を向けてプルプル震えるチョッパーがいます。
唯一、たくさんのゾロが面白いとでも思っているのか、
目をキラキラさせているのはルフィのみ。

『ダメダっ!だめだだめだだめだだめだ!!逃げろサンジ!
これはもう、退治とかそんな問題じゃぁねぇ!!
勝てねぇって!!アレは勝てねって!!』

ウソップが、小さい声で、でも気持ち的には大声で言いました。

『ソウダ!ウソップの言うとおりだ!帰ろうよサンジぃ!!』

くりっと顔をこちらに向けて、チョッパーもウソップに同意します。

しかし、サンジはここでうんと頷くわけにはいきませんでした。
だって、サンジは桃太郎で、正義の味方で。
鬼の被害にあっている人の憂いを絶つためにここに来たのですから。

「ムリだ。そんな格好悪ぃことは出来ねぇ。」

ただでさえ、あのゾロに対して尻尾を巻いて逃げるなんてマネが、
サンジに出来るはずはありませんでした。

確かにこの人数差では難しい気がします。
しかし、サンジは1対多数の戦闘を得意とし。
ゾロはどちらかと言えば、一対一の戦闘を得意とします。
ゾロがぞろぞろ居たとしても、他のゾロたちが邪魔をして、
案外本来の力を出せないのではないか・・・?
サンジに勝機があるとすればそれでした。

とにかく、まずは奇襲だ。それである程度数を減らしてから・・・

そう言おうとしたその瞬間でした。

「お?ゾローーー!お前ぇなかなかその角似合うなー!」

「あん?なんだ、テメェら。何時の間に来た。」

なんと・・・といいますか、逆にあぁそりゃそうかもねと言うべきでしょうか。
ルフィが・・・ゾロゾロ居る内、一人のゾロに話し掛けてしまい、
サンジ一行に気がついた他のゾロたちがわらわらと回りに集まってきます。
そして・・・

『へぇ・・・美味そうな桃尻も迷い込んできやがったんだな。』

あ、やっぱりあんたら皆ゾロなのね。
と言いたくなるくらい、びしっとゾロ達の声が合いました。


こんなにもわらわらとゾロに取り囲まれた状態で、
先程ちょっぴり考えた作戦なんか、へろへろのぷーだなーなんて思います。
隣で、ウソップとチョッパーが泡を吹いて倒れるのが見えました。
自分もこのまま気絶しちゃいたいなーなんて思いました。
でも、我ながら強靭なこの精神力は、サンジを夢の国へ旅立たせてはくれません。

「や・・・・・・・・・やさしくしてねv」

頭の中が真っ白になったサンジは、訳のわからないことを呟いてしまいました。
しかし、廻りのゾロたちは、うっそりと怖い笑みを浮かべると、
全員で『あぁ、可愛がってやるぜ』なんて言ってくれました。








そして・・・サンジが鬼達と必死の攻防を繰り広げている間に、
鬼が島から一人の村娘が、猿の手によって助け出された。
なんて噂が広まりました。

その後、鬼たちが悪さをすることはぴたりとなくなったため。
人々は、おおサンジ様のおかげじゃ、桃尻太郎様万歳!と口々にお礼を言ったそうです。



助け出された村娘が

「なによもー、あんだけゾロが居るんだから、もうちょっとこき使わせてくれても良かったのに。
今回、結構あいつ使えるのよ?
ちょっと一般人に顔見せただけで、勝手に金銀財宝置いていくからv」

と言っていたこととか。

それに対して猿が、

「だめだ。ナミは俺の傍に居るんだ。
ゾロにはちゃんとサンジを届けたしな。これで晩万歳じゃねぇか。」

と言った事とか。

雉が、

「サンジごめんサンジごめんサンジごめん・・・」

と、延々と謝っていた事とか。

犬が、

「お、お、おれ!サンジの為に色々薬作ってくる!!!」

と、薬草を取りに山に出かけて行ったとか・・・


そんなことは、些細なことなのでしょう。
多分。





めでたしめでたしv・・・つづく







続くの?!Σ( ̄□ ̄)・・・ってゆーか、むしろ次が本編(爆)


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