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ワンピース版 暴れん坊将軍 八
「ふふ、上様お久しぶり。」

「あぁ!ロビンちゅわぁ〜ん!相変わらずおうつくしぃ〜〜vv
で、でもちょっと愛が痛い!」

「ははは、いってぇ〜〜!おーロビン!久しぶりだなぁ。元気だったか?」

「ええ、貴方がいなかったから、滞りなく隠密作業に精を出せたわ。」

「んもぉ〜ロビンは手厳しいなぁ〜。」

一輪の花のように、楚々とした微笑を浮かべるロビンに、
サンジはお茶と差出し、エースは団子を差し出した。
ぶっちゃけ、誰が上司なのかわからない構図である。

だが、ロビンとしてはこの状態が慣れっこであるのか、
二人共に「ありがとう」と礼をいい、一息ついてからさらりと言った。

「結論から言わせてもらうと。黒幕は、クロコダイルね。」

その一言を聞いて、サンジはやはり・・・とため息をついた。

「彼は、南町奉行の座も、欲してる。自分の部下に付かせる気でいるみたい。」

「その野望がなんで今回の事件につながったんだ?」

「えぇ、それなんだけど。
件の根古田屋は、ただ裕福なだけじゃなくて、何より信用があるわよね。そこに目をつけていた人物がいたの。」

「その人物ってのは?」

「えぇ。それが、クロコダイルの部下。ミスター3と呼ばれる人物よ。
その彼がビビを妾にしようと思ったらしいのよ。」

「んだぁ?!」

「落ち着いて上様。今時珍しい事じゃないでしょう。」

ロビンの言うことは正しかった。

武家は、商人の娘をもらいうけ、金をもらう。
そして商人は、娘と引き換えに、大口の注文を得ると同時に、新しい商権も得ることができる。

これは、この江戸時代では普通になされたいた事である。
どんな時代にも愛が存在していた事は確かだが、
当時は女性に人権などほとんどなかったのも確かだ。

「けれど…コブラ氏はそれを良しとはしなかった。
なんでも、いずれコーザに後をつかせたいと思っていたみたいね。
それでも、大部分の商人は、娘を売りに出すほうに走るんでしょうけど。
どうやら、コブラ氏はとんでもない娘びいきの人みたい。」

「娘の幸せが一番か…粋だなぁ〜。わかるぜっその気持ち!」

「だた、問題はその後。お互い悪い話ではなかったはずなのに、断られて。
何よりも計画が狂った事に、ミスター3は痛くプライドが傷つたらしいのよね。」

ミスター3は、女性に懸想をするタイプの男ではない。
根古田屋の、商売の能力と信用を使って、更なる金儲けと家の信用アップをたくらんでいたのだろう。
恐らくその判断は間違ってはいなかった。
判断力や計画性に関しては一般人をはるかに上回った能力を持っていたのだろうが、
それ故に、その計画を阻む者など許せなかったのだろう。

「それであの米問屋を盗賊に襲わせて潰したいみたいな事を口走るようになったらしいわ。」

「はぁ?!」

「まぁ、そこで終われば、話はただのミスター3の妄想で済んだんだけど。
彼の上司にクロコダイルが居たのが不幸の元。
もともと、剣士さん・・・南のお奉行さんの事ね?・・・のことを疎ましく思っていたみたいだけれど、
ある日、件のコーザと剣士さんが道場で面識があった事を知ったクロコダイルは、
米問屋襲撃事件の黒幕をゾロにする事を思いついたのよ。」

ビビに思いを寄せるコーザだけれど、そのビビに縁談が来て。
コーザは思い余って、手に入らないならばいっそと、
日々の暮らしにも窮していたゾロの提案を受け入れてしまった。
そして、蔵のお金をごっそり持っていかれたコブラ氏は、
娘をミスター3の元へ差し出すしか、商人として生き残るすべは無い。

「当初の・・・筋書きはこんなものかしらね。もっとも、お金に関してはコーザの活躍で無理だったみたいだけれど。
クロコダイルにしてみれば、剣士さんが潰れてくれればそれでよし。後の証拠は適当に偽造すれば良いだけだし。」

「ゾロのやつってば、南町奉行やってるくせに貧乏だからなぁ。
やってもおかしくねぇ、なーんてな噂も広まっちまうってもんだ。」

質素でとても慎ましい生活をしていたゾロ。
その点では一般人に好印象を抱かれていたが、
それでも、若くしてエリートへの道を究めたと言ってもいい男だ。
出来る人間に嫉妬した人々は、出る釘は打たれるなどと笑いながら、ゾロの失脚を噂したのだろう。

「悪い偶然が重なったのね。
世論を味方につけて、後の重要人物は全員始末し・・・あとは、コーザを適当に痛めつけて、自分から罪を認めさせる。
これを、お裁きの場所で他の人たちが見ている場所で言われたら、もう剣士さんに後はないわ。」

「だが、コーザはそうほいほい相手の思い通りになるような男じゃねぇ。
それが不幸中の幸いって所だったな。」

「・・・いいえ。それがそうも言っていられない事になってきたの。」

ロビンは思いつめたように目を伏せる。
彼女がこのような表情になるときは、あまり面白くない情報を手に入れてしまったという事だ。
サンジは、ごくりと息を飲んだ。

「風来坊のボン・クレーという人物を知ってる?」

「いいや?」

サンジは首を振った。しかし、エースははっとした表情になり、みるみるうちに険しい顔つきになる。

「変装のスペシャリストじゃねぇか!!あいつ、クロコダイルの手下だったのか?!」

「なんだって??」

「裏では結構有名だ。一見すればただの変なでかいオカマだが。
一回他人に化ければ、知り合いに出会あったとしても、その正体を暴くのは難しい。
だから、他人をだますのなんざお茶の子さいさいって奴だ。」

言われてサンジは二人の言っている意味を理解した。

「コーザの代わりに、そいつを裁きの場に出すって事かよ!!!」

なかなか思い通りにならないコーザを手なずけるよりも、
変わり身を置いて、嘘の証言をさせるほうが手軽だという事なのだろう。

「・・・そう言うことだと思うわ。
クロコダイルとしてももう形振りかまってられないのよ。
一刻も早くこの件を決着づけないと、南の管轄に移ってしまうから。」

「じゃぁ、どうすりゃいいってんだ!!!そんな奴がいたんじゃぁ、すぐにでも裁判が始まっちまうじゃねぇかよ!」

「いいえ、いいえ上様。まだ私たちが負けたと決まったわけではないわ。
ボン・クレーはクロコダイルの手下と言うわけではないらしいの。
なにやら、一宿一飯の貸しがあるだけみたい。
そして、彼は今この江戸にはいないらしいのよ。」

「江戸にいない?」

「えぇ、江戸には飽きたといって丁度京都の方へ行っていたみたい。
だからクロコダイルは大急ぎでボン・クレーを呼び寄せているらしいの。
ほんの少しだけど、まだ時間はあるわ。」

「いや、それなら良い。エース、そのボン・クレーの足止めは出来るか?」

「どうだろうな。そもそも変装する人間を探しだすってぇのはちっと骨だが・・・
やってみせましょう。そもそも人探しは得意だ。」

「よし。とにかく、後3日もたせりゃ良いなんて言ってられないことは解った。
ボン・クレーが到着するだろうその前日の夜がタイムリミットだ。
奴も形振りかまってられねぇんだろうが、そりゃこっちも一緒だ。
正々堂々と戦うんじゃなく。でっち上げでゾロを陥れようとするんなら。
俺だって容赦はしねぇ。どんな汚い手を使ってでも、ゾロを護ってやる。
ロビンちゃん、もう一度クロコダイルの屋敷に潜入をお願いできるかい?」

「えぇ、任せて頂戴。」

「二人とも、今回もよろしく頼む。俺のわがままを聞いてくれ。」

二人のお庭番は、若い将軍に笑顔を向けた。

『上様のお望みのままに・・・。』




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