「ワンピース版 暴れん坊将軍」








「あぁっお絹ちゃん〜〜!今日もお美しい!その、簪似合ってるよ!」

「あら、サンジさんv ありがとう♪」

「おう、サンジの兄ちゃん!今日はいい鯛が入ってるよ!」

「お、いいねぇ〜。じゃ、それよろしく!」

「サンジさん、今日はお散歩?」

「もちろん、美しいレディに一目合うために……」


その次の日。サンジはさっそく江戸の町を歩いていた。

いでたちは、ごく普通の庶民が着ているような青い着物を、
だらしなく着ていると言う感じ。

最初、その姿を見たチョッパーは倒れかけたが。
サンジ本人は
「よし!これならどっからどう見ても遊び人だぜ!」と、
至極ご満悦だったとか。



「よー!皆ァ元気にしてるかぁ?!」

勝手しったると言う態度で、サンジは『め組』と書かれた暖簾を潜って中に入る。
すると、サンジの姿を目にとめた全員の顔が、笑みで綻んだ。

「うほーーーー!サンジ!よく来たなぁ!!メシ!メシ作ってくれ!」

「てめぇは、何かとあるとメシかよ。」

「あら、しょうがないわ。サンジ君、料理の才能あるもの。
絶対に生まれる場所を間違えてきたわよ。」

「あぁん!ナミすわん!!
貴女がそうおっしゃるのであれば、今からでも生まれ変わってみせますぅ!」

「や、そりゃぁ無理だろうがよ。ところで、そいつはなんだ?魚か?」

「んだとォ?長っ鼻め!って、おお!忘れてた!
こいつは差し入れだ。魚屋の前を通ったら美味そうなタイが御出迎えしててよー。」

ここは、火消し一家の家だ。

サンジは、このようにして身分を隠し、時折この江戸の町に下りてくる。
それは、ストレス発散のためであったり、町の様子を見て回るためであったりと、
その度に、色々な理由があるのだが。
その時に厄介になるのが、ここと言うわけだ。

もちろん、その正体を知っているものもごく小数しかいない。

親分のルフィ。その妻ナミ。
下っ端のウソップ(実は幼馴染のカヤと結婚したばかりの新婚さん)。
その3人である。


「ほお〜ら、鯛めしだぜぇ〜!てめぇら!ありがたく食え!」

鯛めしの柔らかな良い匂いが漂ってくると、
サンジの正体を知らない他の若者たちも寄ってくる。

サンジは、城に居た時、もちろん包丁すら握ったことが無かった。
しかし、ここに居つくようになってから、
ナミに『働かざるもの食うべからず!』と言われて、
なんとなーく、料理を作ってみたら、なんだか才能があったようだ。

以来、ここに来るたびに、全員に何か料理を作って振舞っている。

「うほーーーーー!うまそーーーー!!!」

「おら!順番だ順番!ずるしてんじゃねぇよ!」
あ、ナミさぁ〜ン♪ナミさんには、俺がよそって差し上げますね!」

「ありがと♪サンジ君。」

相手が天下の将軍である事がわかっていて、容赦なく給仕させるナミは、
とんでもなく大物と思われるが。
サンジが幸せだからいいのだろう。多分。






「あ、ところでよぉ。ウソップ。お前、コーザって奴知ってるか?」

「ん?コーザ?って、何処のコーザだ?」

全員でわいわいと楽しく昼食をとっているところで、
サンジはこっそりとウソップに尋ねた。

ウソップは、うそや冗談も得意だが。
その持ち前の明るさと人の良さで、とても顔が広く。
江戸に住む人間は大体わかる、と言う凄い特技も持ち合わせている。

「えーっと、俺もよくはしらねぇんだけど。剣術習ってるみてぇだ。
多分、ミホークっておっさんが師範代やってたと思うんだけど。」

「あ〜あの先生のところのか。知ってるぜ?コブラさんちの番頭さんの息子だろ?」

「コブラ…ああ、米問屋か。」

「そそ、根古田屋だ。ルフィがああだから、良くあそこの店に買い付けに行くんだよ。
で、注文しに行く際に時々見かけるぜ。」

根古田屋とは、とにかく米屋といったらここ!
と言うくらいの大きな店である。

コブラの手腕からか、まず信用第一の経営方針を持っている店で。
なによりも、ルフィが「ここの米は美味い!」と太鼓判を押すので、
め組一家は、この店の米を購入しているらしい。

確かに、料理をするようになってからわかったことだが、
この一粒一粒がぴんと立っている上に、ほのかな甘みがあって美味い。
庶民が買える程度の値段で、ここまで美味い米を出せると言うのは、
恐らくただ事ではないだろう。

「そうかー商人の息子だったんだな。」

「ああ、いい人だし、頭もいいぜ?ただ、すっげぇ、無愛想なんだよ。
初めて会った時は、俺、何か悪いことをしたかなって真剣に考えちまった。」

「無愛想〜?」

無愛想と聞いて、ついゾロの顔が浮かんだ。
と言う事は、無愛想同士、何か通じるものがあったということなのだろうか?
どんな会話が行われたのだろうと想像して、ついくすりと笑ってしまった。

「何笑ってんだよ。なんか面白い事でもあるのか?」

「面白い事!なんかすげぇ事でもあんのか?!サンジ!」

「ぐわ!てめぇ!口の中に物を入れたまんま喋るんじゃねぇ〜〜!!」

「はいはい、ほらルフィ。口の回りを拭いてあげるからじっとしてなさい。」

「あうう〜、良妻の貴女も素敵だぁ〜〜(涙)」

「サンジもいい加減ナミの事諦めればいいのによぉ。」

「んだとぉ!!もう一回言ってみやがれ長っぱなぁ!!!」


騒がしくも、気軽に心を許せる友人達のいる場所、め組。

ここは、サンジにとって第二の家のようなものだ。


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